生体肝移植

当院での肝移植は、1997年にはじまり、2018年1月現在、計64例です。
2017年は肝移植コンサルテーション5件ありましたが、生体ドナーの不適格などで施行にいたりませんでした。
現在、1年生存率は82.8%、5年生存率は73.2%(図 1)と、良好な成績を維持しています。

原疾患の内訳は、

1.肝細胞癌(n=14)
2.B型肝炎肝硬変(n=13)
3.劇症肝炎(n=9)
4.原発性胆汁性肝硬変(n=8)
5.C型肝炎肝硬変(n=6)
6.アルコール性肝硬変(n=5)
7.原発性硬化性胆管炎(n=2)
8.自己免疫性肝炎(n=2)
9.胆道閉鎖症(n=2)
その他(n=3)

となっています(図 2)。

肝移植後は急性拒絶反応発症をおさえるため、免疫抑制剤の使用が必須です。
しかし、その一方で、感染症合併率が、他の消化器外科手術に比較して高率といわれています。
当院で施行した肝移植症例中、これまで周術期に約半数の症例が敗血症に陥りました。
そこで、感染症予防の取り組みとして、術前からのリハビリ導入、シンバイオティクス栄養療法導入を導入しています。
導入後の7例では、生存率100%を維持しています。一方、C型肝炎ウイルス再発や肝細胞癌再発などの原疾患再発治療に関して、退院後は、消化器内科、さらに臨床腫瘍科と連携して診療を行っています。
2010年7月にわが国では、改正臓器移植法が施行されました。その後、脳死肝移植数が急増し、改正後1年間で55例からの脳死肝臓提供がありました。
一方、現在、成人に対する脳死肝移植実施施設は、全国19施設ありますが、関東地方では、慶応大学、順天堂大学、東京大学、信州大学の4施設です。
現在、神奈川県下で成人の肝移植を行っている施設は当院のみで、かつ、横浜は、全国一番の人口を有する政令指定都市であるという社会的背景から、当院でも脳死肝移植施設認定を目指しております。また本学の地域貢献を考えた場合にも、必要なことと考え、これからも適切な症例があれば、肝移植治療を続けていくことは、当院での使命と考えます。
関連病院の先生方より、可能性が少しでもあればまず紹介いただければと思います。
また内科疾患のほか、Child C肝細胞癌症例(ミラノ基準内であれば保険、ミラノ基準外であれば自費診療)で、移植適応ありますのでご紹介のほどよろしくお願いいたします。

【図の説明】

図1 肝移植後生存率

図2 肝移植症例原疾患の内訳